マンション自主管理の定義は?

自主管理」の定義は実は明確ではありませんが。。。

参考になるデーターとして、国土交通省が財団法人マンション管理センターに委託して、5年に1回のペースで実施している「マンション総合調査」という調査があります。

直近では平成25年度に実施されました。この調査は、マンションの管理組合や区分所有者の管理の実態を把握し、今後のマンション行政の参考とするためにおこなっています。

無作為に抽出した管理組合や区分所有者に対し、郵送のアンケート形式で実施しますが、サンプル数は、管理組合3,643組合、区分所有者7,484名で回答率はそれぞれ63.8%と65.4%でした。

それによると全ての業務をマンション管理会社に委託している管理組合は72.9%あり、基幹事務(会計・出納・修繕の企画や調整)の一部を委託している管理組合が12.8%あります。つまり、何らかの形で管理会社を活用している管理組合が85.7%で、逆に管理会社を起用しないで自分たちで管理している管理組合は8.5%(不明を除く)です。

この、8.5%の管理組合をいわゆる「自主管理」をしている管理組合といいます。

【表】管理事務の実施状況 ※平成25年度マンション総合調査より

管理事務の実施状況(平成25年度マンション総合調査結果より)
基幹事務を含め管理事務の全てを管理業者に委託 72.9%
基幹事務の一部を委託 基幹事務以外の管理事務の一部または全部をマンション管理業者に委託 11.4%
基幹事務以外の管理事務の一部または全部をマンション管理業者以外の者に委託 1.3%
管理組合が基幹事務の全てを実施 基幹事務以外の管理事務の一部または全部をマンション管理業者に委託 1.1%
基幹事務以外の管理事務の一部または全部をマンション管理業者以外の者に委託 1.1%
管理組合が全ての管理事務を行っている 6.3%
その他 0.4%
不明 5.4%

私のマンション管理士事務所には、管理会社変更か自主管理か、と迷っておられる管理組合からのご相談も多いのですが、実際に自主管理をしている管理組合は意外と少ないということが分かると思います。

自主管理を含めた、管理状況の推移

平成20年度、平成25年度マンション総合調査結果における管理状況の結果を以下にまとめてみました。
今回の数字を見る限り、委託割合が僅かに減少しているように見えます。

マンション総合調査結果における管理状況の推移
平成20年度 平成25年度
全てを管理業者に委託 74.9% 72.9%
基幹事務の一部を管理業者等に委託 13.8% 12.8%
基幹事務全て、または管理事務全てを管理組合で実施(自主管理) 6.7% 8.5%

重松マンション管理士事務所でも、自主管理マンションの支援サービスを通じて一部業務を委託されていますが、全てを丸投げするのではなく、また、全てを自分達でやるのでもなく、財政状況や負担を考慮しながら、より良いマンション管理の維持・向上のため、管理会社やマンション管理士などを上手に活用するケースが増えていくのではないでしょうか。